2024-11

シゴト

競い合った吟醸君 1

吟醸君も同期であった。しかし彼は気遣いが上手で、上司のご機嫌をとるのも得意だった。人の嫌がる仕事も進んで受け入れこなして行った。そのうち上からも大きな仕事を任されるようになる。だからクスリ漬け年金生活者は、吟醸君が嫌いだった。いつも上司にゴ...
シゴト

競い合った故名腰君 4

ところが、である。信じられないことが起きたのだ。送別会までしたのに、何日たっても異動しないで、同じ部署に居座っているのである。「あの人とっくに別の部署に異動したはずでしょ? 送別会までして」と皆でささやきあった。でも面と向かって問いただす者...
シゴト

競い合った故名腰君 3

そしてクスリ漬け年金生活者は、またも一番の座を勝ち取ったのである。うれしいことに、何ヶ月も安泰が続いた。故名腰君も力及ばぬと思い諦めたのだろう。プライドが死守出来たことに満足だった。だが油断は出来ない。相手は隙あらばと、虎視眈々一番の座を狙...
シゴト

競い合った故名腰君 2

しもうた。不意をつかれた。一番乗りをなんの断りもなしに奪われてしまったではないか。みじめだ。なんという屈辱の一日だ。こんなにプライドを傷つけられたら、仕事など手に着かない。すぐにその日は退社した。何かの間違いだろうと思い、次の日に出社すると...
シゴト

競い合った故名腰君 1

かつて競い合った同僚、故名腰君がいた。競い合った挙句に、どちらも昇進せずに平社員のまま定年を迎えたが。それでも認められようと、認められまいと競い合ったのだ。会社の出勤時間は08:00。でも定刻に出社する人などいない。どんなに遅くても07:3...
ベント

血イリチーを求めて3000里

クスリ漬け年金生活者にとって、なくてはならないモノがある。それはもちろんクスリである。しかし今回はそれではない。血液なのだ。輸血に使う福岡から空輸されるような日赤の血液ではない。ドラキュラのごとく口から摂取する新鮮血だ。だから血液型は問題で...
パンデミック

バイオテロ(人類浄化作戦)

2024年秋、ある脅威のバイオテロが実行に移されようとしていた。目的は社会主義者、民主主義者を問わず、地球上に住む全人類の未来を幸福なものにするというテロ計画だ。目的は国家と一致するが、手段を選ばないからテロなのだ。一部の国家は裏で資金供与...
コキョウ

浅間山荘事件終結

その生中継は10日目に終わりを迎えた。連合赤軍による浅間山荘人質立てこもり事件はついに終結したのだ。この事件が国民に訴えたものは大きい。その後映画化されたり、数々のドラマとなり現代でも受け継がれている。だから赤軍派や浅間山荘事件と聞いて、日...
コキョウ

長野県警無線と浅間山荘

生中継はなんと10日間にも及んだ。日本の全国民の眼球が、浅間山荘にくぎ付けにされた。銃撃され、血だらけになりながら救急搬送される機動隊員。放水銃からの強力な高圧放水。浅間山荘から機動隊を狙い、火を放つ銃口。続く銃声。そして、ついにクレーンに...
コキョウ

カップヌードルと浅間山荘

この機動隊員2名が標的とされ命を落としている。こちらも命がけである。機動隊の放水車も応戦しているが、なんと半数の車両が凍り付いてしまっている。放水が山荘に届く前に凍り付き、放水銃の先端から楕円を描いて空中でツララのようになってしまっているで...