タビ

追憶碓氷峠 28

そもそも碓氷峠区間は、一般の鉄道とは考え方が異なる。この区間は実質的に「閉鎖された専用運転区間」とされた。列車は、信号保安システムによって厳重に管理され、勝手に人や車が入る踏切も存在しない。そのため運転士は、「前方に何かあるかもしれない」で...
タビ

追憶碓氷峠 27

さらに、このEF63が後ろから、特急「あさま」11両編成を押し上げる編成では、EF63の運転手に難題がのしかかる。運転手は後ろ向きだから、進行方向が全く見えないのだ。振り向いたとしても、進行方向は200mも離れた「あさま」の先頭だ。見えるは...
タビ

追憶碓氷峠 26

反対に軽井沢からの、横川向け下りの車両編成はどうだろう。下りでは事情が全く異なる。66.7‰の急勾配では列車は、重力でどんどん加速しようとする。そこでEF63の2両を列車の先頭に連結し、強力な発電ブレーキ・空気ブレーキ・電磁吸着ブレーキで、...
タビ

追憶碓氷峠 25

それでは、EF63の2両に運転士はそれぞれ必要か? 実は、協調運転は1名だけで行われた。運転士は先頭のEF63の運転台に乗務し、後ろのEF63は、総括制御(そうかつせいぎょ)で同時に操作されていたのである。総括制御とは、1本のマスコンとブレ...
タビ

追憶碓氷峠 24

実際EF63の運転士の体験談によると、下り勾配ではまず発電ブレーキを主体に使い、必要に応じて電磁吸着ブレーキを併用したそうである。電磁吸着ブレーキが作動すると、車体に独特の振動と「ゴーッ」という音が伝わり、「機関車がレールをつかんでいる」感...
タビ

追憶碓氷峠 23

次は最後の砦「③電磁吸着ブレーキ」について記す。 この電磁吸着ブレーキこそが、EF63を有名にした装置だ。碓氷峠66.7‰では、通常の車輪ブレーキだけでは不十分と判断され、レールに強力な磁石を押し付ける方式が採用された。EF63のそれぞれの...
タビ

追憶碓氷峠 22

そのため、ブレーキシューは車輪とは異なる材料で作られている。当時、国鉄の機関車や客車では主に、鋳鉄(ちゅうてつ)制輪子が使われていた。鋳鉄とは、見た目は黒っぽい鉄の塊だ。その特徴は、①適度な摩擦力 ②加工しやすい ③安価 などである。でも、...
タビ

追憶碓氷峠 21

EF63の各車輪には、①ブレーキシリンダー ②テコ装置 ③制輪子(ブレーキシュー) が取り付けられている。各車両にも同様の装置が設置されている。ただ、後期の189系あさまは一部ディスクブレーキも採用されている。作動のしくみはこうだ。運転士が...
タビ

追憶碓氷峠 20

なぜそんな面倒な方式を採用したのか?それは安全に万全を期すためである。例えば列車が何らかの理由で分離したら、ブレーキ管が破断する。すると空気が一気に抜ける。その結果、全車両に非常ブレーキがかかるという仕組みだ。つまり、ホースが切れたら止まる...
タビ

追憶碓氷峠 19

次に「③空気ブレーキ」とは何か? 空気ブレーキとは、圧縮した空気(圧縮空気)を使って列車を止めるブレーキのことだ。現在の鉄道車両のほとんどで使われている、基本的なブレーキ方式である。ただ自動車のブレーキとは少し違う。自動車は運転席から油圧で...