シゴト

追憶碓氷峠 56

それでは、「地域住民の足」として、碓氷峠(横川~軽井沢11.2km)を、第三セクター鉄道として残せなかったのか? この問題は、実は長野新幹線開業時にかなり議論されたテーマである。結論から言うと、「旅客鉄道として単独維持するのは極めて困難であ...
タビ

追憶碓氷峠 55

その「地域輸送網の分断」とは何か? これが最大の問題である。横川~軽井沢間の路線廃止後、群馬県側と長野県側の鉄道が分断されてしまった。きのうまで、電車で一駅だった軽井沢へは、もう永遠に行けなくなったのだ。不便で一日数便しかないバスに、頼るし...
タビ

追憶碓氷峠 54

この「長野新幹線」の実際の評価はもっと複雑である。新幹線は単なる列車事業ではない。その効果として、JR側は、①運転本数増加 ②高単価の新幹線料金 ③車両効率向上 ④保守費削減 ⑤乗務員効率化 を得ることが出来た。そして地域側では、①長野への...
タビ

追憶碓氷峠 53

それでは、この長野新幹線建設費8,282億円という巨額投資は、誰が出したのか? 昔の東海道新幹線のように、「JR東日本が全部建設して所有」という方式ではないのだ。整備新幹線方式では、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が 新幹線設備を建設した。そ...
タビ

追憶碓氷峠 52

それでは、全体的にみて長野新幹線は黒字なのか、赤字なのか? JR側の経済効果について見て行く。「EF63時代」に必要だったものは ①EF63機関車 ②横川・軽井沢基地 ③連結作業員 ④機関車保守 ⑤急勾配対応設備 など。つまり、「峠を越える...
タビ

追憶碓氷峠 51

それでは、経済的側面からの分析に移る。「EF63形補助機関車で碓氷峠を越えていた時代」と、「長野新幹線(現在の北陸新幹線)時代」とでは、どう変わったのか? それは、単なる速度向上だけではなく、東京~長野間の鉄道ビジネスそのものが変化したのだ...
タビ

追憶碓氷峠 50

このようにE7系では、各車両に空調・換気系統がある。それぞれが、自分の車両の圧力を監視し、調整している。ただし、列車全体の制御システムとも連携しており、「この列車は今からトンネルに入る」という情報を共有して、各車両がほぼ同時に気密モードへ切...
タビ

追憶碓氷峠 49

車外の気圧変化は、先頭車で1013hPaから1018hPaへと上昇する。そして最後尾では、列車が空気を引っ張るため、1013hPaから1009hPaへと低下してしまうのだ。実際の数値は、車両の速度やトンネル断面積によって変わる。このとき、車...
タビ

追憶碓氷峠 48

トンネル内では、「列車が空気のピストンのような役割」をする。このため列車の前方では気圧が上がり、後方では気圧が下がる。まずトンネルの入口で何が起こるのか? 例えばE7系「あさま」が260km/h(約72m/秒)でトンネルに進入するとする。ト...
タビ

追憶碓氷峠 47

ここでまた耳新しい装置が出て来た。「自動気密装置」とはなんぞや? その前に、 先頭車の構造から説明する。E7系の先頭部は約9.1mもある。これは時速320kmで走行するE5系(東北新幹線 はやぶさ)の15mに次ぐ長さである。この長いノーズは...