ブレイキング

ちいさなおともだちができたよ

夜中の2時過ぎにおともだちができたよ。ちいさなちいさなおともだちだよ。チラッと眼が合っておともだちになりました。まぶたはありません。だからやもりくんです。まだあかちゃんみたいです。せんたくばさみよりも、ずっとずっと小さいんです。でも、もう自...
コキョウ

自治の鐘

自治の鐘とはなんだ。学校はすぐそこだ。もう近い。しかし無情にも自治の鐘が鳴り出した。これはまずい。走り出す。まわりには自分しかいないではないか。またやってしもうた。息が切れる。校門をくぐった時には、鐘はもう鳴りやんでしまった。完全にアウトだ...
コキョウ

餅が来る冬休み

縁側一面に並べた、しなびた大根を呪文を唱えながら裏返す。まんべんなく日が当たるように。真冬の信州でも、風がなければ陽ざしは暖かい。そして日暮れとともにみかん箱にしまう。これを何日間も繰り返す。すると美味しいタクアンが正月に食べれるんだ。それ...
セイカツ

ハエトリソウと年金生活者

ハエトリソウは蠅取らず。今年もコ、コバエの季節が年金生活者の家にもやって来た。年金生活者にたかる蠅か。それとも孤独死を待っているのかい。いい気はしない。まだ早いぞ。今は大きな蠅は文明が進んだため、いなくなった。蚊さえも文明国の日本では都会に...
セイカツ

年金生活者をささえるブロッコリー

クスリ漬け年金生活者の健康はブロッコリーにかかっている。今やブロッコリーは、日本国民高齢者を支える貴重な栄養源となっている。ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜である。キャベツの一種をイタリアで長年かけて品種改良したものなのだ。先...
シゴト

競い合った吟醸君 7

やがていつのまにか吟醸君は通常勤務をこなすまでに回復した。皆も安心した。長期病休を取ったことも忘れ、普通に接するようになっていった。ただその年の忘年会は来なかった。やはりこころの闇を引きずっていたのである。復帰から1年くらい経過したころか。...
シゴト

競い合った吟醸君 6

だから職場復帰プログラムが必須なのである。絶望の淵から救うプロジェクトなのだ。焦りや絶望、孤独感が続くと、いくらクスリを飲んでも回復しない。周りからの専門的なサポート、支えが重要なカギとなるようだ。一筋縄ではいかない病気である。吟醸君は、こ...
シゴト

競い合った吟醸君 5

職場復帰プログラムの全貌はこうだ。復帰プログラムの開始日は、主治医と産業医、事業者、管理監督者、本人とで話し合って決めるらしい。その際、社内の配置部署は本人の希望を考慮するらしい。さらに業務内容に関しても、出来るだけ本人の意向に沿うようであ...
シゴト

競い合った吟醸君 4

やがて3か月が経過したころ、女子会有志がマンションまでお見舞いに行ったよ、という報告を聞いた。時がたつのは早い。もう3か月も経ったのか。「元気そうだったよ。クスリの影響で、豚のようにマルマルと太っていたよ。」という。食欲がまず回復したので喜...
シゴト

競い合った吟醸君 3

上層部にコネを持つ社員から情報を得た。重症な「鬱病」らしい。予感はしていたが、はっきり断言されると、にわかに信じがたい。あんなにテキパキと、人の倍以上の仕事をこなしていたのに。食事がとれず、水も飲めず、不眠が続き、10㎏も体重が減ってやせ細...