2025-01

コキョウ

メグロのオートバイ登場 2

「今からでは、走って園まで行かなくては間に合わない。神父さんにおこられる。大ピンチだ!」そんなとき、満を持して登場したのが、初めて見る黒くて大きなバケモノである。ものすごいうなり声を上げる。これが華々しいメグロのオートバイの登場シーンである...
コキョウ

メグロのオートバイ登場 1

それが初めて登場したのは、昭和初期、蟻ケ崎にある県営アパートの前だ。そのころクスリ漬け年金生活者は、約3㎞離れたバプテストのいずみ園に通っていた。当初はいずみ園まで500mの至近距離であったが、御徒町から蟻ケ崎に転居したことが原因で遠くなっ...
コキョウ

落雷遭難事故 UH-1

南から進入して来た何機もの陸上自衛隊多目的救難ヘリUH-1が、爆音をあげながら次々と校庭に着陸する。そのたびにグラウンドの土煙が激しく巻き上がる。土煙で視界が悪く同時に2機が着陸しては接触の危険があるため、他機は上空で待機している。1機ずつ...
シゴト

成城学園通りの桜並木

今年も成城学園通りの桜並木が満開をむかえる季節となった。向ヶ丘遊園から多摩川を渡り、世田谷通りを都心向けに走る。マツダコスモの13Bロータリーエンジンは快調だ。車内には矢野顕子の「春先小紅」のサウンドが響く。やがて左カーブの上り坂にかかる。...
コキョウ

焼き場の二人

夕暮れ時に、秋の空高くカラスが鳴く。哀愁がこの時期漂う。昔、沼近くの焼き場にふたりは暮らしていた。兄と妹のふたりだけだ。両親は見たことがない。いつもみんなから「焼き場の子」「焼き場の子」といじめられていた。クスリ漬け年金生活者も昔、友人と一...
コキョウ

ちんちん電車が走る街

クスリ漬け年金生活者が生まれた街には、かつてちんちん電車が走っていた。筑摩電気鉄道が駅から温泉までの5.3㎞を走らせていたのだ。都会からの登山客の多いこの街。新宿から夜行の準急「穂高」が満席で到着する。終着駅だ。さらに、ここを起点として北ア...
コキョウ

集団赤痢が蔓延

最初の赤痢患者が出てから数日がたった。村人は戦々恐々としていた。今日また赤痢患者が近くの字で出た。次から次へと患者が発生していく。集団赤痢だ。となりの家からも赤痢患者が出た。怖い。なんか女鳥羽川沿いに発生していると聞く。赤痢は川沿いに伝播す...
コキョウ

路傍のチョコレートと年金生活者

クスリ漬け年金生活者は、ある日の帰り道、路傍に大きなチョコレートを見つけた。道路の真ん中に落ちていたのだ。包装が一か所だけ剥げて、茶色い中身がのぞいている。あたり一面に、ほのかな甘い香りが漂っている。見るからに美味しそうなチョコレートだ。ク...
シゴト

満月のカママミレ夜会

それぞれの役割が展開された。旅団の総リーダーが配分するのだ。食料を持って来る係。この人員を多くした。おもに女員に割り振られた。飲料水を持って来る係。男員、女員半分ずつだ。祈りの敷物を準備する係。男員に割り振られた。爆薬を準備する係。小さい子...
シゴト

裏街道のススメ 4

時は動いた。日本の政治は裏金問題に揺れに揺れ、裏街道の怒りをかった。衆議院選挙で与党は大敗。ほかの党と連立を図るも過半数に至らない。そればかりか、もう少しで政権交代するところだった。石破政権前途多難。少数与党になっては、今までのように自分勝...