シゴト

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成城学園通りの桜並木

今年も成城学園通りの桜並木が満開をむかえる季節となった。向ヶ丘遊園から多摩川を渡り、世田谷通りを都心向けに走る。マツダコスモの13Bロータリーエンジンは快調だ。車内には矢野顕子の「春先小紅」のサウンドが響く。やがて左カーブの上り坂にかかる。...
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満月のカママミレ夜会

それぞれの役割が展開された。旅団の総リーダーが配分するのだ。食料を持って来る係。この人員を多くした。おもに女員に割り振られた。飲料水を持って来る係。男員、女員半分ずつだ。祈りの敷物を準備する係。男員に割り振られた。爆薬を準備する係。小さい子...
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裏街道のススメ 4

時は動いた。日本の政治は裏金問題に揺れに揺れ、裏街道の怒りをかった。衆議院選挙で与党は大敗。ほかの党と連立を図るも過半数に至らない。そればかりか、もう少しで政権交代するところだった。石破政権前途多難。少数与党になっては、今までのように自分勝...
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裏街道のススメ 3

ところがである。彼らは政治に対してはなぜか鋭敏である。筋書通りだと、競争には全く無関心で総選挙にも行かないはずだが。私が知っている限り、彼らは例外なく全員行く。それも混雑を避け、時間の浪費という自己犠牲を最低限にするために、理由をつけて期日...
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裏街道のススメ 2

現代人がお手本とするべき、彼らの習性を見て行こう。まず彼らは競争しない、他人と争わない。競争すること、他人と争うこと、出世街道を目指すことが、いかに馬鹿らしいことか知っているのである。たとえ勝ったとしても、何に勝ったことになるのか。ただ気分...
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裏街道のススメ 1

クスリ漬け年金生活者が、歳を重ねる中で得た「生活の知恵」とするロジックがある。だからこそ、落伍することなく定年まで働き、今日まで生き抜いて来られたのだ。「24時間働けますか?」の時代、人は人を押しのけ、前へ前へと出世街道(表街道)を猛進した...
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競い合った吟醸君 7

やがていつのまにか吟醸君は通常勤務をこなすまでに回復した。皆も安心した。長期病休を取ったことも忘れ、普通に接するようになっていった。ただその年の忘年会は来なかった。やはりこころの闇を引きずっていたのである。復帰から1年くらい経過したころか。...
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競い合った吟醸君 6

だから職場復帰プログラムが必須なのである。絶望の淵から救うプロジェクトなのだ。焦りや絶望、孤独感が続くと、いくらクスリを飲んでも回復しない。周りからの専門的なサポート、支えが重要なカギとなるようだ。一筋縄ではいかない病気である。吟醸君は、こ...
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競い合った吟醸君 5

職場復帰プログラムの全貌はこうだ。復帰プログラムの開始日は、主治医と産業医、事業者、管理監督者、本人とで話し合って決めるらしい。その際、社内の配置部署は本人の希望を考慮するらしい。さらに業務内容に関しても、出来るだけ本人の意向に沿うようであ...
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競い合った吟醸君 4

やがて3か月が経過したころ、女子会有志がマンションまでお見舞いに行ったよ、という報告を聞いた。時がたつのは早い。もう3か月も経ったのか。「元気そうだったよ。クスリの影響で、豚のようにマルマルと太っていたよ。」という。食欲がまず回復したので喜...