プライベートビーチ

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年金生活者とサバイバーの使命

今回、魔のプライベートビーチから奇跡的に生還出来たことは、「薬漬け年金生活者の末路としてはラッキーだった」の一言に尽きる。だが受けた身体的ダメージはかなりなものだった。診断名:高度脱水症・右手掌裂傷・全身打撲・全身擦過傷・ウエットスーツラッ...
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年金生活者ウエットスーツラッシュ

眼が醒めると16:00だった。12時間ぶりに排尿もあった。急性腎不全は免れたようだ。でも背中が焼けるようにかゆい。かいても、かいてもかゆい。いったい何が起きているのか。まあ命が助かったんだから、細かいことは気にしないでおこうと思った。しかし...
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年金生活者と魔海の爪痕

焦っていた。だんだん意識が遠のいていく。意識がしっかりしているうちに到着しないと。しかし豪雨で大渋滞。前の車が全然進まない。ブレーキを踏むのが遅れて、何度か前の車にギリギリまで接近しすぎてしまった。それに腹を立てた前の車がわざとノロノロ運転...
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年金生活者ベースキャンプへ

早速家族へ電話をかける。「無事に車まで戻ったから、海保には連絡しなくていいからね」まだ息をきらしながら話した。「ハア? ハア?」妻は全く事情を理解していないようだった。そこで、雨のなか一晩ビーチで夜を明かしたことを話した。服を着てハンドルは...
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年金生活者ジープへ

登り坂がきつい。雨でぬかっている。永遠と続くように感じた。心臓がドキドキして止まらない。いや止まったら困る。呼吸がゼイゼイして苦しい。体力は限界に来ていた。上まで登りきれるのか。通常なら15分程度の道をなんと1時間近くかけてはい登った。なん...
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年金生活者 再上陸

まだ油断は出来ない。ビーチまで岩場が続くからだ。岩の直下では大波が轟音とともの砕け散っている。水しぶきが全身にかかる。時間の経過とともに、確実に潮が満ちて来ているのがわかった。ここまで来て、滑って海中に落ちたら命の保証はない。ゆっくりゆっく...
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年金生活者とエントリーのビーチ

慎重に少しずつ前進する。突然岩穴から何十匹ものカニが走り出て来る。まちがって踏みでもしたら、足が滑って海中に転落する。やっと止まっていた手の傷からまた出血し出した。必死で岩を握っているからだ。しばらく行くと、案の定、岩が途切れている。次の岩...
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年金生活者魔海からの脱出

9:30なんと、はるか沖の彼方に米粒くらいの定期船が見えた。遠くで点のようにしか見えないが、北へと進んで行く。私は浜に出て大きく手を振り続けた。双眼鏡でこちらを見てくれたら発見される。そんな距離だった。約10分間だっただろうか。船は針路を変...
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年金生活者の決断

8:00船は見えない。この波高では遊漁船も出港しないかもしれない。決断すべき干潮時刻の10:00まであと2時間を切った。でもこの波では無理だ。勝ち目は全然ない。この時点では、まず海には入れないと思えた。私は砂浜にすわり、落ちていたプラスチッ...
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年金生活者と明けた魔のビーチ

でも真水だ。海水ではない。やはり神からのプレゼントか。とっさにそう思った。しかし、今後のことを考えると2口から3口しか飲む気にならなかった。もったいないからだ。魔のプライベートビーチは明けた。そして、その全貌を見せた。何ということか。昨日の...