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翔んだ庭の復元事業 04

2023年の夏の台風で飛ばされた庭の復元事業はなんと師走にまで及んだ。工事は依頼したのだが、少子高齢化が進み労働力不足が現実だった。一時は年内の工事は難しいとさえ思われた。大阪万博のパビリオン建設のために、大工が軒並みヘッドハンティングされ...
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年金生活者のシバオ君 6

すぐにかかりつけ医院に行き、主治医にレカネマブの処方を希望するが、イヌ用はまだ承認されていないという。納得のいかない話だ。ヒトに使う前にイヌで試して効果を確認しているはずだが。さらに処方するには、認知症テストや脳のMRIを撮らないといけない...
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年金生活者のシバオ君 5

やがてシバオ君は病気ひとつせずに、順調に年輪を重ねて行った。いつの間にか15歳を迎えた。人間でいえばカジマヤーである。獣医も驚いていた。「まめ柴はそもそも短命なのだが凄いね」毎年、ワクチン接種するたびに腰を抜かしていた。もちろん食事には気を...
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年金生活者のシバオ君 4

シバオ君は毎年検診を受けて、8種混合ワクチンを接種していた。もちろん狂犬病の予防注射もだ。そして毎月フィラリア予防の内服薬を飲んでいた。ほぼ毎日、主人との散歩も楽しんだ。だから病気にもならず元気に一生を過ごした。家族の誕生日を一緒に祝い、一...
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年金生活者のシバオ君 3

信州の山奥からやまんばが来た。92歳だ。こんなにも歳の差があって、はたしてシバオ君とうまく暮らして行けるのか。しかし杞憂に終わった。里に不慣れで孤独なやまんばをシバオ君が必死に癒してくれた。それも24時間つきっきりで。やまんばの虚ろな眼をシ...
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年金生活者のシバオ君 2

シバオ君は家族みんなに愛されてスクスクと育っていった。庭に投げられたボールを一目散に得意げに拾って来たり、放課後は年長組と追いかけっこをしたり、自由時間は芝生に寝ころんで日向ぼっこをしたり、本当に幸せそうだった。毎朝のウオーキングにもかかさ...
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年金生活者のシバオ君 1

クスリ漬け年金生活者にはかつて児がいた。シバオ君は0歳児の時に、「親こぼし学園」から今の家に引き取られて来た。何人もの児がオリの中で騒いでいる中、シバオ君だけが行儀よく、うつむいて親が来るのを静かに待っていた。何もしゃべらない。だから親にな...
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日本人の10人に1人

ついに来るべき時が来てしもうた。「日本人の10人に1人は80歳以上」この衝撃的なニュースが昨日から日本中を飛び交っている。年金財政破綻もより現実味をおびて来た。医療が発展をとげ、皆が健康長寿を全うするのは素晴らしいことのはずなのだが、そうは...
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翔んだ庭の復元事業 03

こちらも台風で被害を受けたあと、手をこまねいていたわけではない。そこのところはわかってほしい。台風直後から造園会社6社に復元を依頼するが、見積もりに来てくれたのはわずか1社だけ。あとは「何か所からも依頼があって、忙しくて手が回らない」「首里...
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翔んだ庭の復元事業02

なかなか帰らない。いつまでもチャイムを鳴らし、しつこい。このチャイムがやっかいで電源OFFのスイッチがない。だから鳴り続ける。あまりにもうるさくて近所迷惑だから警察に電話しようと思ったが、もう来ているじゃん。しばらくしてチャイムが止まった。...