シゴト

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闇バイトの闇

闇会社名と連絡先を聞くと、「東亜産業の下請けをやってるスジカイです」と名乗る。「連絡先はこの電話番号ですよ。」と笑う。迷っていると「割のいい仕事なので、すぐに埋まりますよ。」とまた笑う。闇のリクルーターは、あきらかに笑うセールスマンだった。...
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闇のリクルーター

ついに来た。待ちわびていた、ホワイト案件! 闇のリクルーターから、クスリ漬け年金生活者にも「優しいお誘い」が来たのだ。この息をのむ物価高。でも年金額は、非情にもマクロスライド制をとっているので増額されない。年金暮らしの彼にとって、このホワイ...
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六号坂のアヒルたち 6

アヒルたちは国家試験に無事合格。それぞれの道を進んだ。夜の9時を過ぎた。今日は当直だ。控室のソファーは、背もたれを倒すとベッドに代わるしくみになっている。緊急の検査で起こされなければ、朝まで眠れる。ただ、定例の仕事をやってしまわねばならない...
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六号坂のアヒルたち 5

故郷に帰ることの出来なかった六号坂のアヒルたち何匹かが、再び集結したのは、その年の4月上旬だった。みな現ナマ¥1,000,000とやる気を持って来た。今度こそは失敗は許されない。現ナマ¥1,000,000は言わずと知れた親が準備した、なけな...
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六号坂のアヒルたち 4

そして3月には地方にもどるアヒルの一群がいる。しかし何年たってもアヒルはアヒル。飛ぶことはまず出来ない。何羽かは陽の目を見て、飛べることを信じて都内に残るが、ほとんどは体を左右に揺らし、ヨタヨタと帰って行く。彼らは上京生活で何を得たのだろう...
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六号坂のアヒルたち 3

彼らアヒルたちは、上京生活の3~4年間をこうして過ごす。すべて先輩から受け継がれて来たアヒルのアルゴリズムに従う。住みかは、フロなし、トイレ共同の6帖一間の安アパートだ。それにかたちだけ蛇口がついているかんじかな。まるで「神田川」の世界その...
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六号坂のアヒルたち 2

六号坂そして水道道路にたむろするアヒルたちの日々はつづく。雨の日も雪の日も。足が重くても軽くても日々は容赦なくやって来る。だからどうしても稼がなくては夜会生活が続かない。パチスロで日々の生活費を稼ぐアヒル。ガソリンスタンドで稼ぐアヒル。ロ場...
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六号坂のアヒルたち 1

かつて六号坂にはアヒルがいた。坂を下り来ったところを左手に入ると、夕方2時間しか開かない診療所があった。住みかはその向かいの岩坂荘あたりか。アヒルの昼は、駅前のゴールデン地下街の賭場だった。甲州街道をはさんで京王線の駅がある。そのころの京王...
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成城学園通りの桜並木

今年も成城学園通りの桜並木が満開をむかえる季節となった。向ヶ丘遊園から多摩川を渡り、世田谷通りを都心向けに走る。マツダコスモの13Bロータリーエンジンは快調だ。車内には矢野顕子の「春先小紅」のサウンドが響く。やがて左カーブの上り坂にかかる。...
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満月のカママミレ夜会

それぞれの役割が展開された。旅団の総リーダーが配分するのだ。食料を持って来る係。この人員を多くした。おもに女員に割り振られた。飲料水を持って来る係。男員、女員半分ずつだ。祈りの敷物を準備する係。男員に割り振られた。爆薬を準備する係。小さい子...