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チチカカ湖に捧ぐ年金生活者

クスリ漬け年金生活者はチチカカ湖を目の前にして体力の限界を向かえていた。呼吸が苦しい。酸素がないのだ。プーノまではなんとかたどり着いたが、そこから船着き場まで歩けない。全世界からやって来た年金生活者も同じ運命をたどるようだ。なんせ標高が富士...
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ナスカと年金生活者

リマから400キロは走ったか。あたりは荒涼とした乾燥大地にかわる。大型トレーラーが土煙を上げてすれ違う。遠くに小高い丘が見えるが、それ以外何も存在しない。緑はない。木々も草もない。砂漠のような大地。その一角に小型機専用の飛行場がポツンとある...
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エーゲ海に捧ぐ年金生活者

エーゲ海で泳ぐために世界中の年金生活者が殺到する。死ぬ前にどうしても浮いておきたいらしい。だったら隣の「死海」の方が浮きやすいんじゃないかい。でも縁起をかついでこっちに来る。みんな「エーゲ海に捧ぐ」の時代か。私も例外ではなかった。ボスポラス...
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ダージマハルと年金生活者

年金生活者は汗だくでアグラ城をめざしていた。10月でもインドは暑い。ペットボトルの貴重な水を飲まずに頭からかぶる。そういえばカトマンズのトリブバン国際空港も暑かった。エベレストへの登山客でごった返していたからか。もしかしたらエベレストも今は...
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不時着した年金生活者

気球はバーナーを再び点火して高度を保つ。地上の木々に接触しないように。地上のスタッフと無線でやり取りが続いている。向こうもこちらを探しているようだ。その間も気球は横風にゆっくりと流されて行く。やはり一度幽体離脱してしまうと、もとにもどるのは...
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幽体離脱した年金生活者

トルコの大地がだんだん遠ざかる。予報通りの無風状態。ゆっくりと気球は垂直に上昇して行く。地上で手を振っていたスタッフが米粒となった。バーナーを小刻みに噴射して、スタッフは上昇速度を調整している。まわりを見回すと、カッパドギアの空を埋め突くす...
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熱気球と年金生活者

クスリ漬け年金生活者が乗るべきものは熱気球。これに尽きる。ゆっくりと舞い上がりあとは風まかせ。どこにたどり着くかはわからない。とにかく舞い上がること。あとはのんびりとした人生が続く。でもいつ落ちるかわからない。強風が吹いたら、すぐ吹き飛ばさ...
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エジプトミイラ事情

エジプト考古学博物館は有名なので知っている方も多いと思う。あのツタンカーメンの黄金のマスクがあるところだ。今は新しい博物館が複数新設されて、展示品は分散されて引き継がれつつある。私が訪れた時は、すべてがここにあった。ツタンカーメンの黄金のマ...
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年金生活者とエジプト土産品事情

いろいろとガイドブックには載ってはいるが、クスリ漬け年金生活者として是非とも手に入れたい、命のエジプト土産品について記す。中東ドーハまで8時間。そこから乗り継いでさらに5時間。こんなに時間と命をすり減らしてまでの遠い旅路。体調を害すること覚...
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年金生活者と首都カイロ事情

カイロは都会だ。アブシンベルやルクソールのように田舎ではない。何車線もの道路が整備されて、たくさんの車が走っている。だけどなぜか、車は夜間でもスモールライトしか点けない。どの車もだ。しかし高速道路でもないのに猛スピードで走る。そもそも制限速...