エーゲ海に捧ぐ年金生活者

タビ

エーゲ海で泳ぐために世界中の年金生活者殺到する。死ぬ前にどうしても浮いておきたいらしい。だったら隣の「死海」の方が浮きやすいんじゃないかい。でも縁起をかついでこっちに来る。みんな「エーゲ海に捧ぐ」の時代か。私も例外ではなかった。ボスポラス海峡を渡り南下。ひたすらエーゲ海をめざした。

碧いしずかな海。といっても月面ではないぞ。サンサンと陽のひかりが注ぐが暑くない。とても上品な海だ。あの「死のプライベートビーチ」で遭難したトラウマを払拭するには、絶好のビーチだ。有名リゾートホテルのプライベートビーチ。さあ全開入水する。しかし経験したことのない海だ。小魚一匹いない。サンゴも海藻すらない。水面を見上げると、ゾウアザラシトド大群が浮いている。

しもうた。網膜裂孔なので見間違えた。よく見ると浮遊していたのは、外国種富裕層。たくさんのエサを食べてマルマル太っている。サングラスをかけて浮いているのは米国種。波が来るとみんな騒ぐ。一番大きな声で騒ぐのが中国種国産は、というといってしずか。あんまりエサを食べていないみたいでスマート。

ビーチ米国種に話しかけられた。そう俗にいう白人女性である。めったにないことなので私は心おどった。「連れの女性がいて、夫が死んで塞ぎこんでいるのでエーゲ海に連れて来たと。それに私はやっぱりトランプのほうがいい」とか話す。サングラスが似合っていて、米国種としてはスマート。話しをして行くうちに、相手は70近い年金生活者とわかり、その時点で英語が聞き取れなくなった。

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