そこで下地幹夫は考えた。ジェットフォイルに先行してドローンを飛ばそう。それで、クジラが進行方向にいないことを確認しながら走るのだ。船長は、一人でジェットホイルとドローンの2台を同時に操縦しないといけなくなるが。さらに、走行中はクジラの嫌がる音波を海中に発射することにした。
それでも、ホエールウオッチング協会は納得しない。「悪天候や強風時にドローンは飛べるのか。子クジラは発見できない」と。そこで下地幹夫はしかたなく、速度を65kmまで落とすことを提案する。ところが、これでも反対派の強硬意見はつづく。「時速30km程度にしろ、それならクジラもよけられる」と。
ついに幹夫がきれた。「時速30kmでは自転車より遅い、誰も乗らない!」「名護まで1日かかってしまうではないか」「会社がもたない」と、憤慨した。現在合意なく、ことは進行している。そこで、反対派は11月1日の就航前に、環境アセスメントの実施を強く訴えている。判断は環境省に委ねられている。
さらに、その結果も踏まえジェットホイルの就航許可は、最終的に国土交通省(海事局)によってなされる予定だ。「そこんところ、よろしく!」さすが、久米島オーシャンジェト社。社長に、もと国会議員の下地幹夫を据えるとは。先を読んでいる。この騒動は、まもなく山場を迎える。
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