ダージマハルと年金生活者

タビ

年金生活者は汗だくでアグラ城をめざしていた。10月でもインドは暑い。ペットボトルの貴重な水を飲まずに頭からかぶる。そういえばカトマンズトリブバン国際空港も暑かった。エベレストへの登山客でごった返していたからか。もしかしたらエベレストも今は暑いんじゃないかい?エベレストにはイエティ航空で行けたが、結局クマリとは会えずにインド入りした。翌日、早朝ニューデリー駅から鉄道アグラに向けて南下した。

ダージマハルに着いたぞ。一気にテンションが上がる。ツアーの年金生活者飛び上がって喜んでいる。全開で入口に向かう。ガイドの方があとになってしまった。セキュリティチェックを受けてみんな中へとなだれ込む。ところが私は緊急停止させられた。ポケットに隠し持っていた、チョコレートナッツをなんと没収されてしまったのだ。この警備員、よっぽど腹が減っていたのか。それとも高血糖にならないように気づかってくれたのか、なんとも優しいセキュリティだ。

そう考えたが、実際はちがっていた。ダージマハルを汚さないために、一切の食べ物の持ち込みは禁止されているのである。ヒンディー語で書いてあったので理解出来なかった。大好きなチョコとナッツを全部没収されて、私はテンション爆下がり。でも白亜ダージマハルの美しさが、私の心を癒してくれた。

なんとも美しいその姿にはみとれてしまう。だがダージマハルは、聞けば悲しい話だ。ムガル帝国皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのために建設した霊廟である。20年の歳月と巨額の費用を費やしたことから、息子に皇帝の座から引き下ろされてアグラ城幽閉されてしまう。ただアグラ城からダージマハルが見えることが、せめてもの息子の愛情だったという。

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