ドライブサファリ

タビ

早朝、一行はジンバブエの隣国、ボツワナに入国した。そしてボツワナ北東部にある、アフリカを代表する国立公園のひとつ、チョベ国立公園に直行する。これから、クレスタモワナ・サファリリゾートを起点にして、ドライブサファリボートサファリに挑戦するのだ。

サファリキャンプには日産のサファリやトヨタのランドクルーザーなど、世界の強豪たるや4WⅮが待機していた。窓はなくオープンに改造してある。10名近く1台に乗車出来る構造だ。運転席のフロントガラスは倒すことが出来る。朝もやの中、風を真正面に感じて、サファリへと突入した。

4WⅮが低いエンジン音をあげながら、赤土をかきわけて進む。目の前に、今まで写真やテレビでしか見たことのなかった、アフリカの原風景が広がる。サバンナに金色の光が射し始めると、インパラの大群が、川辺に姿を現した。まるで私たちを歓迎してくれているかのよう。それはまさに、陸のバレエ団だった。

突然茂みの中から、親子のゾウが現れて、4WDの行く手を遮った。その岩山のような巨体は4WDの何倍もある。迫って来るかと思いきや、威嚇だけですませ、目の前を悠然と横切って行った。遠くには、キリンアカシアの枝をついばんでいる。この地に吹く風、動物たちの静かな息づかい。それはただのサファリではなく、魂と野生が響きあった一瞬の祈りだった。

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