ニンガチカジマーイ

フウケイ

ニンガチカジマーイで今日は船が出せない。それで早春の港は静止しているだ。風が強いから釣り人もいない。風に向かってリールは投げられない。台船も揺れるから作業もなしか。もと漁師たちは明日に備えて遊漁船の手入れをしている。話し声が聞こえて来る。海の男だけあって声がでかい。

それとも車の窓を少しだけ開けているからか。「昨日は何人乗した?」「ひとり」「それじゃあ、赤字だろ」「そうでもないかな」「だって一人14000円だろ」「いや、値上げしたんだよ。14000円から15000円に」「それでも燃料代考えたら赤字だろ」

「どうかな?燃料を一番使ったときで50ℓ。7000円くらいかな。だいたい5000円でおさまってる。まあ、回るところにもよるけどね」「本数でも値段決めてるの?」「そう、1本5000円。3本で27500円。昨日は一人でも3本だったから27500円だったよ。」「ほう、そんなもんか」

1本とはエアタンク1本の意味。男の一人は遊漁船の船長。ダイビング船だ。もちろんダイビングのインストラクター免許も持っているのだろう。もう一人はただの漁師。手伝っているらしい。しかも年輩だ。今の時代、ただの漁師だけでは喰っていけないらしい。ネットのホームページで客を募り、素晴らしい海の思い出を作ってあげる。のある仕事だ。

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