オーストラリアパビリオンを出た後、「寄ってらっしゃい。見てらっしゃい。今なら待ち時間なしで入れますよ」という呼び込みに誘われ、近隣のサウジアラビアパビリオンに入る。午前中の早い時間ならではのチャンスである。サウジアラビア館は、いくつもの建造物がひしめき合い、その中を縫って進んだ。
それぞれの建造物の内部では、伝統と革新が融合した、砂漠の王国が描く新時代のビジョンを体感できる。空中に浮かぶ映像や香りの演出が五感を刺激し、「持続可能な未来への挑戦」というテーマが心に響く。静と動が交錯する美しい空間だった。このあと、少し早いが、昼食のクエートレストランに向かう。
道すがら、ここも待ち時間なしで入れるということで、UAEアラブ首長国連邦のパビリオンに立ち寄る。エントランスは、乾燥させたデーツの実が敷き詰められていたのが印象に残る。アラブ首長国連邦パビリオンは、未来都市と砂漠の伝統が見事に融合した空間だ。
外観は砂丘をイメージした曲線美、内部では最新テクノロジーが織りなす映像体験が待つ。太陽エネルギーや水再生の技術展示は圧巻で、「資源なき国が創り出す持続可能な未来」というテーマが鮮烈に伝わる。静かな砂の映像に包まれながら、砂漠の国が描く“未来のオアシス”を感じた。

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