ポリオパンデミック 2

コキョウ

参観日母親どうしが、うしろでヒソヒソと話していた。席が後ろだったので、話し声がよく聞こえた。「あー、ワクチンが間に合わなかったんですね。かわいそうに。」「うちも一緒に遊んでいたから、もうダメかと思いました。でもなんとか大丈夫でした…。」 

毎回参観日にこんな話をされたら、そりゃ性格は大きくゆがんでしまうわな。彼の性格を大きくゆがませた原因は、周りの大人たちだったのだ。「もうダメかと思いました。」とは何か。牛飼君はもうダメだ。と聞こえてしまうではないか。

そりゃわかる。ポリオが怖れられていた理由は、その感染力が強いことである。そして小児麻痺になり、長い人生装具をつけて生きることになるのだ。感染児はまだ幼いから、ことの重大さを理解出来ない。しかし成長するにつれ、自分の境遇に、これからの人生を悲観してしまうのだ。悲しい。

この後、令和と言う時代にも、地球は「コロナ」という未知の感染症に襲われた。今度はターゲットが高齢者だった。コロナワクチン開発されるまでの2年間、寿命を待たずにみんなバッタバッタと死んで行った。重篤な肺炎を起こし、ECMOをつないでも助からない。やはりいつの世も自然淘汰は存在するのか。決して人類は抗えない宿命なのか。

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