マツダキャロル KPAD型 登場

コキョウ

この年、初代マツダキャロルKPAD型が登場した。360㏄で18馬力と、今では考えられないような非力だが、当時では画期的な国産車だった。なんと18馬力で4人も乗れる。実際に公道を走る。当時ではこの車でも高級車で、庶民には高値の花だった。国産車とは言っても、価格は37万円もした。これでは、誰も手が出ない。

なぜなら、この年の初任給が高校卒で6,000円 大学卒で9,000円が相場だった。2025年の大卒初任給が22万円から30万円余だから、現在の価格に換算すると、なんとキャロル900万円以上した高級車になるのだ。それでも満を持して、いずみ園に登場した。

乗っていたのは、当時星組双子の姉妹マッマが送り迎えをしていた。うすい緑色の車体だった。車体後部に積まれているエンジンの音異様うるさかったのを覚えている。でも、とってもうらやましかった。自分たちは、双子のともだちに「バイ、バイ」と手を振ることしか出来ない。

それでも一度、あけみちゃんと一緒に載せてもらったことがある。大雨の日だった。「可哀そう」と帰りに蟻ケ崎まで送ってくれたのだ。車に乗ったのは、これが人生初だった。座っているだけで移動できる。感動した。夢のようだった。それから、あけみちゃんはより長く手を振るようになった。それが嫌だった。

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