六号坂そして水道道路にたむろするアヒルたちの日々はつづく。雨の日も雪の日も。足が重くても軽くても日々は容赦なくやって来る。だからどうしても稼がなくては夜会生活が続かない。パチスロで日々の生活費を稼ぐアヒル。ガソリンスタンドで稼ぐアヒル。ロ場で稼いでいたアヒルもいた。
そのころ学生の間で幅を利かせていたのは、日刊アルバイトニュースだ。都内だけの求人なのに分厚い。当時の時給は450円から550円くらいか。六号坂のアヒルたちは、このアルバイトよりもはるかに効率の良いパチスロを見出したのである。さすが頭がいい。そこまで腕を磨くのには1年近くかかるらしい。
その間は溶けても、パチスロの授業料として投資をいとまないことが大切と言う。腕を磨いてしまえば、あとは座って楽しむだけ。働かないから疲れない。遊んでいるだけで生活費が稼げる。人生楽勝! 平和な時代だった。だが、楽ではない一面も教えてもらった。
それは開店前に早くからならぶこと。オープンと同時に店内になだれ込み、いち早く出る台を見つけ陣取ること。出るように設定されている台は2~3台のみで、それも日ごとに台が変わるという。もちろん休日には出る台は増える。外から見える入り口側に設定されることが多いと分析していた。
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