さてここでハタと疑問が沸く。クスリ漬け年金生活者の夏休み自由研究とは、いったい何だったのか。年金生活者にも、かつては夏休みがあったらしい。夏休みがあるのなら、夏休み自由研究は必須であるのは当然だ。65年以上も前の昭和という時代において、どのような自由研究がなされたのか。
1960年前後の代表的自由研究と言えば、ソビエトが有人宇宙飛行に成功。メスバウアーがメスバウアー効果を発見する。またシュミットがクエーサーを発見。続いてヒューイッシュらがパルサーを発見。そしてゲルマンらがクォーク模型を提唱している。人類の眼は宇宙と物理学に向いていたのだ。
だからクスリ漬け年金生活者の眼も、流行りを追って宇宙へと向いていた。プロジェクト名は「宇宙流星塵の発見」である。開智小學校に保管してあるアーカイブを解析した。スライドガラスにワセリンを塗り、戸外に24時間放置。それを顕微鏡下で分析して流星塵を見つけるというものであった。
山、庭、たんぼ、線路わき、工場周辺、道路沿いと、環境別に収集して分析していた。それも1回だけでなく、夏休み中、連日連夜繰り返された。そしてついに流星塵を発見していたのである。これがかなりの高評価だったのを覚えている。当時の科学雑誌を参考にして研究したまでだが。
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