年金生活者ジープへ

プライベートビーチ

登り坂がきつい。雨でぬかっている。永遠と続くように感じた。心臓がドキドキして止まらない。いや止まったら困る。呼吸がゼイゼイして苦しい。体力は限界に来ていた。上まで登りきれるのか。通常なら15分程度の道をなんと1時間近くかけてはい登った。なんとかジープまでたどり着き、ジープの後ろの草むらに倒れ込んだ

ジープが見えた時は心からうれしかった。でも昨日ジープから降りる時、まさか帰りが明日になるとは、だれが予測出来たであろうか。後部牽引フックに吊り下げてあるサーフボックスから車のキーを取り出す。後部ドアを開けて、給水タンクの水を頭からかぶる。そしてまた草むらに倒れ込んでしまった

立っているのがきついのだ。体力を消耗してしまい、横に寝ながらしか動けない。寝ころびながら、手袋、時計、水中マスクをはずし、ブーツから脱いでいく。このブーツがなかなか脱げない。どうしても、どうしても脱げない。それには理由があった。24時間以上も海水に浸されていたおかげで、足がふやけて膨張してしまい、太くなって抜けないのだった。

これには苦労した。やっとのことで大声を上げながらブーツをはぎ取った。見ると、両足首がふやけて2倍くらいの大きさになっていた。これには、たまげた。そして最後に窮屈だったが、命を救ってくれたウエットスーツを脱いだ。そして起き上がり、また頭から水をかぶり、なんとかシートに座った。

コメント

タイトルとURLをコピーしました