社長には参った。ここはお前の会社ではないぞ。「ボクはね…」「ボクはね…」67歳過ぎて「ボク」はないだろう。態度も横柄で、いつも先頭を歩く。平気で列に割り込む。現地ガイドを離さない。いつも独り占めしている。周りもそれに合わせている。
私が土産品を買うと、同じく買う。夫婦で写真をガイドに取ってもらうと、自分たちも負けじと撮る。勝気である。負けない。遠慮もしない。だから社長になれたのか。そもそも薬品会社の社長であるとは誰も知りたくないはずだが。ふつう自分から言い出すのは勇気がいるものだが。
メキシコのホテルに着いた時にはエレベーターが故障中。ウエルカムドリンクのソルティドッグは美味かったが部屋に上がれず、先に近くのレストランでタコス料理を食べた。旅の一行の初顔合わせである。ここで余計な話を社長にしてしもうた。
「明日のブエノスアイレス便のオンラインチェックインが出来ますよ」不覚だった。「ボクのもお願いします」「ボクのもお願いします」ホテルに戻ってからも、しつこく要求して来る。私は社員でも部下でもないのだよ。結局なぜか出来なかった。後から、社長はビジネスクラスだとわかった。
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