本人に何の説明もなく、デイバッグをさかさまにひっくり返した。中身が飛び出す。あまりにも非常識な係員の対応に、大声で抗議した。その声を聞きつけて、ツアーコンダクターが駆け付けた。係員はやめない。そして底奥深くから、弾丸1発を探し出した。それを見たツアーコンダクターは、腰を抜かしてひっくり返った。
「なんでこんな物を、も、もっていなはるんですか?」立ち上がると、急に関西弁になった。その動揺ぶりに確信を持ったのか、係員はなんとバッグをふき取り、TDS検査までし始めた。ツアーコンダクターさん、頼むからこんな演技はしないでくれ。ただのロケットなのに。余計に怪しまれてしまったではないか。
メキシコ人はクスリを入れるロケットを見たことがないのか。係員のあまりの無知さに、すぐに気づくだろうと思ったが、なんかおかしい。急に係員が3名集まって来た。逃げられないように、背後にもピタッと張り付く。どこかに電話をしている。これではまるで現行犯逮捕だ。犯人扱いされているではないか。
「Emergency Medicine!」「Emergency Medicine!」と繰り返すが、相手は納得しない。仕方なく、ロケットを開けて中の薬物を見せた。これがまた違法薬物と疑われてしもうた。薬物を別室に持って行き調べている。運よくWYPAXだったので事無きを得たが、CYLACEだったらと思うと、今でもゾッとする。
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