やがて3か月が経過したころ、女子会有志がマンションまでお見舞いに行ったよ、という報告を聞いた。時がたつのは早い。もう3か月も経ったのか。「元気そうだったよ。クスリの影響で、豚のようにマルマルと太っていたよ。」という。食欲がまず回復したので喜んでいるということだった。
「それならばみんな待ってるよ。と元気づけよう!」誰かが声を上げた。皆賛成した。幹事も決まり会場まで押さえたのに、担当医が飛び上りストップがかかった。「本人の負担となるので絶対にやめて下さい。回復期が一番あぶないんです。」とのこと。鬱病とは命にかかわる病気だったのだ。
「鬱病は、ただのこころの風邪」と言ってたのに、話が違うんじゃないか。なんで命にかかわるの? 皆、理解に苦しんだ。当時は「鬱病回復期のある朝、頸を吊る人がいちばん多い。最も危険な季節」などとは、知る由もなかった。そして、また月日が経過した。
ある時、突然、吟醸君が職場に顔を出した。「明日から、少しだけお世話になります」「やっぱり、ここがいいもので」と、独り言のようにささやいた。最初は皆理解出来なかった。後から上司が説明した。なんか専門機関が直轄する職場復帰プログラムがあるらしい。それに職場は従わないといけないみたいだ。
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