翔んだ庭の復元事業02

ベント

なかなか帰らない。いつまでもチャイムを鳴らし、しつこい。このチャイムがやっかいで電源OFFのスイッチがない。だから鳴り続ける。あまりにもうるさくて近所迷惑だから警察に電話しようと思ったが、もう来ているじゃん。しばらくしてチャイムが止まった。やっとあきらめたか。ところが赤の回転灯の光が去らない。今度は玄関ドアを「バンバン」と強打し名前を大声で呼び始めた。

ついに敵は防御フェンスを越えて侵入したのだ。侵入レベルを二段階上げて対応する花びら地雷をまいておくべきだった。不法侵入だからアメリカではこの時点で発砲しても罪には問われない。あいにく猟銃は今日は持ち合わせていない。それに敵は2名だ。向こうは完全武装の武警だ。勝ち目はない。諦めて立てこもることにした。しかし、なぜ私が自宅に立てこもらなければいけないのか。納得がいかなかった。

夜明け前に事態は急展開を迎えた。寝ている2階のベランダに人影が!なんとロープを屋上に引っ掛け、よじ登って来たのだ。さすが訓練されている。SWATなみである。まずい作戦変更だ。私はおもむろにヘッドフォンをつけて大音量でポップスを聞き始めた。そしてアイマスクをつければ完璧である。武警はベランダのサッシをたたき始めた。ここで私はカーテンを開き、ヘッドフォンをおもむろにはずして、眠たそうな目で対応した。

「どうしたんですか?家宅捜査令状を見せて下さい」これには武警は無言だった。要点は「となりの家はここのところ急に深夜の車の出入りが頻繁になりあやしい。」「それに深夜に車の騒音安眠妨害である。」「自宅前の道路にがいつも散乱していて自分の車が汚れる。」「台風後の後始末をせず土埃枯れ葉が飛んできて迷惑している。」「役所からの注意も聞き入れない」以上だ。

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