アッという間に1か月は過ぎて診断結果を聞きに行く外来日。主治医はポリグラフの分析結果を淡々と説明していく。「寝ると息してないですね」「最長の無呼吸時間が107秒、血中酸素飽和度69.0%まで低下」「69%は重症も重症ですよ。みたことない」「1時間に30回近くも、首を絞められている感じですかね。それも2分近く呼吸出来なかったら危ないですよ」
なんという悲惨な結果か!血中酸素飽和度が69%!これには全身の血の気が引いた。失神してあの世に行ってもおかしくない値! 90%を切った時点で酸素吸入が必要とされる低酸素状態なのに。2分×28回=56分 ハー?1時間あたり56分間が無呼吸なの?じゃあ、私は寝たらほとんど息してないじゃん。よくこれまで我ながらノホホンと生きてこられたなー。
マウスピースでの治療どころではなくなった。「早速今日から、夜は人工呼吸器を装着しましょう。間に合ってよかった。ハハハ」 いったい何に間に合ってよかったのかわからないが…
そこからはさすが日本有数の睡眠専門病院。タブレットでCPAPのオリエンテーション。次に実際のマスクの選定、装着。実技訓練。それぞれ担当者が変わり流れ作業のように進む。最後に圧設定。私は5.0から始まった。体重の10分の1が目安らしい。
常時陽圧呼吸だから息を吐くときに抵抗があって心なしか苦しい。でも最近のCPAPは頭が良くなって来ているからそのへんは調節可能。
「先生、無呼吸が良くなったらCPAPははずせるんですか?」と私がわざと笑顔できくと、「肥満の人なら痩せることによって無呼吸がよくなることはありますが、痩せていて無呼吸の人は一生治りませんよ。あきらめてCPAPは墓場まで持って行って下さい」 ハー? そんな! こんなところで冗談言ってる場合じゃないでしょ!しかし悲しいことにそれは冗談ではなかった。こうして呼吸機能がキカイ漬けにされていった。
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