生中継はなんと10日間にも及んだ。日本の全国民の眼球が、浅間山荘にくぎ付けにされた。銃撃され、血だらけになりながら救急搬送される機動隊員。放水銃からの強力な高圧放水。浅間山荘から機動隊を狙い、火を放つ銃口。続く銃声。
そして、ついにクレーンに吊り下げられた巨大な鉄球の登場。何メートルもある巨大な鉄球がうなり声をあげながら空中を舞う。あれには皆度肝を抜かれた。そして轟音とともに、浅間山荘の壁を破壊する。何度も何度も繰り返してぶつける。
すさまじい映像だった。そして緊迫した長野県警の警察無線も県内では傍受出来た。そのころ警察無線は今のようにデジタル化されておらず、アナログ無線だった。だからラジオで、ある周波数に合わせると聞くことが出来た。そのころ市販されていた東芝製の「テレビの音も聞けるラジオ」GTVが必須だった。
別に傍受するだけならば罪にはならない。その内容を漏洩するとまずい。たしかテレビ4chの少し上に周波数をずらしたあたりか。知識のある人は聞いていた。本部から各移動に指示を出す様子がリアルに聞き取れた。警視庁機動隊の無線は、さすがに周波数がわからなかった。
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