養蚕 かいこさん 2

コキョウ

そもそも養蚕業は、日本の明治時代から昭和初期にかけて日本を支えた基幹産業のひとつです。その歴史は古く、起源は中国大陸にあり新石器時代(紀元前7000~6000年ごろ)にさかのぼると言われています。しかも中国では養蚕技術の国外への持ち出しは固く禁じられていました。

その後、養蚕技術かいこさんは徐々に、中国から西方、東方、南方へと伝えられ、日本には弥生時代に伝来したと考えられています。そして群馬県の富岡製糸場は知らない人はいないはず。「あゝ、野麦峠」でも、製糸工場で働く女工の姿が哀しく描かれていますね。

富岡製糸場の建物は、140年前創業時の姿を残したままで、今ではユネスコの世界遺産となっています。もちろん国宝指定です。だから今でも小学校の理科の授業で、かいこさん実習があるのです。日本の伝統技術を理解して受け継ぐためです。この時期になると、産卵しそうな蛾職員総出で探しに行きます。

たまに新任の先生がよく似ているけれど、種のちがう蛾を間違って取ってくることがあります。そのをもらった生徒たいへんなことになります。みんなとちがう幼虫がふ化して、そのうちに黄色いコクーンを形成し、別の生き物が現れるのです。その生徒は落胆してしまい、理科が嫌いになったそうです。

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