ついに繭(コクーン)の完成です。緑の桑の葉だけから、なぜあんな純白のシルクが出来るのでしょうか?これこそ、永遠の神秘です。コクーンをソット振るとコソコソと音がします。中にちゃんといるのです。すべてが糸になってしまったのではないのです。安心しました。
また、杉浦君がやってしまいました。ハサミでコクーンに切れ込みを入れて、手で押し開けてしまったのです。中には、かいこさんとは似ても似つかない、寸胴の茶色い未知の生命体が入っていました。それも尻の針のような尖がったものをクネクネと動かしています。生きているのです。
皆は、気持ち悪くなって、いちもくさんに逃げだしました。泣き出した女の子もいます。それほどに、予想外の、まるでゴキブリから羽をとったような生命体だったのです。結局、みんなコクーンのままで夏休みに入りました。絹糸(シルク)を作って来るのは、夏休みの宿題となったのです。
何日待てばいいのか? いつゆでるのか? ゆで時間は何分? どうやって糸の先端を見つけるのか? わからないことばっかりです。理科の先生は、「もしわからなかったら、お父さんやお母さんに聞いてもいいから」と言いました。まあ、友達に養蚕兼業農家の子もいるし。何かあったら聞けばいいか。それくらいにしか、考えていませんでした。
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