しかし、悲劇は突然起きました。ある朝起きてみると、箱の中で2匹の黄色い蛾(モスラ)が、小さな羽をばたつかせて、這いまわっているではありませんか。ものすごく太い胴体。全身毛だらけ。おまけに頭には目玉の横に大型のレーダーのような、アンテナがついており、気持ち悪くそれをクルクル回転させます。
尻からは茶色い液体を噴射して箱を汚しています。これには度肝を抜きました。蛾なのに、飛びそうで飛べない。いや、どう見ても飛べるような体つきではありません。あきらかに重量オーバーです。あとで話を聞くと、友達もみんなこの奇妙な生命体を見たときには、びっくりして腰が抜けたと言っていました。
だけど今は夏休み真っ最中。すべて自分で解決しなければなりません。早くシルクを取らないと全部ふ化してしまい倒産です。クスリ漬け年金生活者は、焦っていました。とりあえず、火をおこし鍋いっぱいの湯をたきました。そしてコクーンをすべて湯にぶち込んだのです。
かわいそうなことに、あの2匹の蛾(モスラ)も糸にからみついていて、ほどけず、いっしょに鍋の中です。コクーンは箸でかき回して、いい具合にゆであがりました。みるからに純白です。湯を手でつまめるくらいまで冷まして、いよいよシルクを取り出します。だけど、指でさわっても、どこが糸の先端かわかりません。どうすんのよ。ココカラファイン。
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