これで準備完了です。いよいよ開始です。スイッチを入れます。かあちゃんに持ってもらっているマブチモーターが、唸り声をあげて勢いよく回り出します。クスリ漬け年金生活者は、両手を湯につけて、いくつものコクーンからの糸を、一つに束ねて整理していきます。それをうまく糸巻きに誘導します。
湯のなかでは、いくつものコクーンが、気持ちよさそうに飛び跳ねています。水しぶきをあげているのもいます。あたりは伊香保の温泉のように、湯けむりが漂います。いい感じですねえ。順調にシルクは巻き取られていきます。人力で巻き取っていた時の、何十倍もの速さです。さすが富岡製糸場方式です。
やがてコクーンは次第に薄く透明になって来ました。なかの黒いサナギが見えて来ます。こうなるとそろそろシルクの巻き上げ完了です。かいこさんのサナギはゆでられて、死んでしまいました。これを「ポンテギ」として食する国もありますが、かわいそうなので食べずにお墓を作って埋めてあげました。
ちなみにポンテギは、タンパク質あふれる韓国を代表する昆虫食です。クスリ漬け年金生活者の田舎では、昔からイナゴ・蜂の子などの昆虫食がよく食べられていました。また伊那地方ではポンテギも食べていました。昔は安く、すぐに手に入った昆虫食。現在は手が出ないほどの値段です。近年のオーガニック・健康指向の高まりから、栄養豊富な高級珍味として高値で取引されています。
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