養蚕 かいこさん 9

コキョウ

上質なシルクが、糸巻きがふくれ上がるほど取れました。純白艶も豊かです。紛れもなく一級品です。高値で取引されることでしょう。いや、間違えました。夏休みの課題が高評価を受けることでしょう。これで理科の成績が上がります。よかった。

しかし他のクラスメートはどうしているのでしょうか。夏休み明けの8月26日が楽しみです。今のような携帯もメールもない時代。人々はもっぱら伝令口頭情報を伝達していました。伝令や、町内児童会のプール教室で聞いたところ、みなそれなりに、家族も巻き込んで苦労しているとのことでした。

この地方では冬休みが長く、また積雪のための中間休みもあるため、夏休みは3週間程度やや短いのです。その夏休みが明けました。みな課題を持って登校して来ます。シルクが運よくとれた生徒は半分くらい。気づかぬ間に、全部ふ化して蛾になってしまったり、コクーン湯で煮ることを知らなかった生徒達です。

家族総出で何日もかけて、わりばしに巻き取って来た人もいました。粘り強い努力に感服です。また上には上がいて、六角形の糸の紡ぎ機に巻き付けて来た生徒もいました。大昔、ばあさまがやっていたのを思い出し、に眠っている紡ぎ機を探し出したそうです。凄い発想ですね。こうして「かいこの夏」は終わりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました