年金生活者と魔海の爪痕

焦っていた。だんだん意識が遠のいていく。意識がしっかりしているうちに到着しないと。しかし豪雨で大渋滞。前の車が全然進まない。ブレーキを踏むのが遅れて、何度か前の車にギリギリまで接近しすぎてしまった。それに腹を立てた前の車がわざとノロノロ運転をするという、この危機的状況下でとんでもない嫌がらせを受けた。通常30分のところがなんと１時間近くもかかった。

風呂に入った。風呂の温度が熱いのか冷たいのかわからない。足は冷たいのに背中がやけに熱い。足首はまだ２倍近くに膨張している。いや３倍か。これではくつは履けない。いつしぼむのか。手のひらの裂傷も痛々しい。かなり深い。イソジンがないので消毒は出来ない。熱水と石鹸でよく洗っておいた。

水分が足りていないはずなのに、なぜか水が飲みたくない。24時間何も食べていないのに、何も食べたくない。おととい買っておいた弁当を温めたが結局食べれずに、カロリーメートをいわば強制的に口に運んだ。そしてやっとニューロタンを飲むことが出来た。あのまま魔のプライベートビーチに取り残されていたら、降圧剤も飲めなかったではないか。そのまま脳出血か。危なかった。

だからクスリ漬け年金生活者はいつも危険と隣り合わせなのだ。CPAPを装着し眠ろうとするが、眠れない。だって昨夜は一睡もしていないんだよ。おかしいんじゃない？　やはり脳が極度の興奮状態にあることがわかった。マイスリー10mgとベンザリン10mgを内服して、何とか４時間ほど眠ることが出来た。