ついにその時が来てしもうた。当時の国連のグテーレス事務総長の言葉には誰も耳を貸さない。国連は何も機能しない。ついに第二次世界大戦に続いて核が使われた。その数と規模は比較にならない。核シェルターもバンカーバスターには耐えられなかった。ロシア・中国・アメリカが核弾頭を搭載したICBM（大陸間弾道弾）を敵国に向けて容赦ない数を発射した。ロフテッド軌道で同時多発攻撃を仕掛けた。
これでは全てのICBMを迎撃するのは無理だ。迎撃に失敗した核ミサイルが着弾した。インド・パキスタン・イラン・フランス・イギリスそして北朝鮮までもが、自国防衛の名のもとに核ミサイルを次々と発射した。各国の軍事施設はおろか原発までもがターゲットにされ、ついに世界は死の灰に覆われた。地球に放射能が降り注ぐ。まず大気が汚染され、続いて大地、川、海、動植物の順にすべてが汚染された。
放射能の半減期は何百年単位だ。これではエアフォース1も核シェルターも、もつはずがない。草木は枯れ、魚は浮かび、鳥は落ちた。そして人類は滅亡した。人類繁栄の歴史600万年に幕を閉じたのだ。当時用いられていた地球歴でAD2025年の7月である。そもそもの始まりはウクライナとロシアの戦争。そしてパレスチナハマスとイスラエル、アメリカの戦争。ヒズボラ、イランも参戦した。さらに中国が台湾に侵攻。これが中国とアメリカの全面的な戦争へと発展させた。
文明の発達した人類が戦争によって破滅することになるとは、当時は誰も予測出来なかった。しかしホモサピエンスの脳には、いくら発達しても根底には自己生存の動物本能がありこれを制御することは出来ない。そして「所有・領土」「言語」「宗教・アイデンティティ」「過剰な愛による憎しみと復習の連鎖」これらが人類を破滅へと導いた。初期のAIも生まれ始めていたが、まだ人類を支配するまでになっておらず、人類の暴走を制御することは出来なかった。
コメント