泊りがけ技術力認定講習

キカイ

その技術者の育成は各メーカーの責務とされている。自分のメーカーの器械で医療事故が起きてしまえば、メーカーの信頼度もがた落ちし、多大なダメージとなり業績にも関わる。そして医療機関側も、機種選定に当たり、単なる価格だけではなく購入後のアフターフォロー、特に技術者の育成にも力を入れているメーカーを選ぶ。

だからどのメーカーもアフターフォロー、特に技術者の養成にこぞって力を入れることになる。自社工場で研修プログラムに参加してもらい、修了した者には技術認定証をあたえるのだ。研修プログラムでは、器械の操作方法はもちろんのこと、警報発生時の対処方法、始業時点検方法などから入っていく。

そして器械の構造しくみを理解した上で、実際に対象器械を分解して内部を目で見て理解させ、さらに自分で組み立てるまでに修得させる。研修プログラムは全行程3日間に及ぶ。最終日には筆記による知識の試験と、除水ポンプを組み立てる実技試験が課される。これに合格しなければ、技術認定証はもらえない。

いよいよ研修日前日だ。案内には寄宿舎の場所と電話番号だけが書いてあり、本社工場の位置は特定出来ない。空路羽田から新幹線を乗り継ぎ静岡入りした。さらにローカル線の鈍行に乗り換える。「最寄りの駅はない」とのことで、路線バスに乗り、指定されたバス停で下車。指定された公衆電話に急ぐ。「そこから〇〇タクシーを呼べ」と案内にある。なんとタクシー会社の指定もあるのだ。

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