その時、AMX-1058便は北太平洋上空にいた。ここからだと、サンフランシスコに戻るか、南下してホノルル国際空港か。それともアンカレッジにするのか。太平洋上のど真ん中だから、どこも3000kmギリギリの距離だ。
しかし、その後アナウンスはなかった。ということは、適切に処置出来て緊急の病状ではなさそうだ。後になって、当時の搭乗員から話を聞くと、メキシコ人の女性が低血糖発作を起こしたらしい。日本人医師が搭乗しており、点滴により回復したとのことだった。
まあ低血糖発作でも放置したら命にかかわる。医師がいて患者はラッキーだった。6時間の遅れはなんとか避けられたようである。しかし16時間は長い。旅程最期の2日間は機内泊。寝てばっかりだ。まあ日付変更線を越えるから仕方ないか。
朝方、AMX-1058便は日本の房総半島上空になんとかたどり着いた。空港オープンの06:00を待って、無事に着陸した。エコノミークラスの皆は疲労困憊していた。クスリ漬け年金生活者は、強力な弾性ストッキングを着用しており、エコノミークラス症候群による肺塞栓の危機は脱した。ブリーチャー症候群もなかった。
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