最初の赤痢患者が出てから数日がたった。村人は戦々恐々としていた。今日また赤痢患者が近くの字で出た。次から次へと患者が発生していく。集団赤痢だ。となりの家からも赤痢患者が出た。怖い。なんか女鳥羽川沿いに発生していると聞く。赤痢は川沿いに伝播するものなのか。
河で洗い物をするからうつるのか。いや汲み取り便所からうつるらしい。汲み取り便所から汚染物質が河に染み出てうつるのだ。保健所の話によると、女鳥羽川沿いは全滅だという。感染が広がりすぎて、手の施しようがないようだ。保健所職員も感染が怖くて近づけないらしい。
學校・幼稚園も休校となった。市長が非常事態宣言を発令した。でも何も変わらない。赤痢が収束する兆候は見えなかった。人々は家屋に閉じこもり、ひたすら疫病が去るのを待つしかなかった。「今夏、赤痢大流行のおそれ」新聞に製薬会社の広告が不気味に踊る。
いつの世も感染症に人々は振り回される。中世のペストにはじまり、赤痢、コレラ、チフス、ポリオ。そしてHIV、SARS、鳥インフルエンザ、Mポックス、今回のコロナへと続く。次は何がやって来るのか。そう言えば、近年西アフリカで不気味な感染症が散発している。
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