バスターズは車両に薬剤タンクを積んでおり、パイプをのばし、薬液を圧送するらしい。玄関土間と勝手口土間に、ドリルで何か所も穴をあけて、そこにパイプから薬剤を注入した。そのあと穴をコンクリートで固めた。地下スペースには、奥深く四方にペースト状の青い薬剤を塗った。一日がかりの作業となった。
これが、たいへんな作業であったことが、後になってわかった。自ら地下スペースに降りてみると、なんと高さが50cmもない。もちろん座位もとれない。だから這って進むしかない。匍匐前進状態だ。それに地下スペースには配管やジャッキがならび、通れるすき間はわずかだ。ここに薬剤を背負って入ったのか。
バスターズの話によると、白アリの痕跡はなかったとのことだった。だがこれが、白アリ対策をやらなくていいことの理由にはならない。たまたま運が良かっただけなのかもしれない。鉄筋コンクリート(RC造り)になぜ白アリ対策が必要なのか。だれもが最初は疑問を持つだろう。
しかし、現実は悲惨だ。白アリはコンクリートも平気で侵食してしまうらしい。その固い顎でコンクリートに齧りついて、簡単に穴をあけてしまう。いったんコンクリートの壁を破ったら、木製の構造物が目前だ。室内には木や紙など、白アリの好物ばかりだ。木造と違い、コンクリート造りでは発見が遅れ、その分被害が大きくなるそうだ。
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