近頃、巷にブタ人間があふれて来ている。ここ琉球も例外ではない。言わずと知れた、かの県警本部長もブタ一族の総長である。しかも、テビチ・三枚肉・ミミガー・中味汁・ポークランチョンミートとブタ食三昧だ。まさにとも喰いの毎日である。「ブタほど美味いものはない。」総長の口癖である。何度も聞かされた。
琉球では古代から、ブタ肉料理が伝承されて来た。それを、どこまでもむしゃぶり尽くす。果てはブタの顔面まで公設市場に公然と吊るされておる。おとうブタ、おばーブタ、わらびーブタ。みなブタ情味あふれる笑顔だ。SNSで話題になったせいか、今日では観光客が列をなしてまで、ブタの顔面を買い求めるあり様だ。
ブタはヒトにとって長寿の源泉らしい。だから琉球は長寿の邦なのか。ブタ料理は遥か古代、琉球王朝が栄えた時代から愛されて来た。ミミガーはその代表的な、宮廷料理である。そしてまた、琉球ではその生命力の強さから、あがみまつり、ブタの肉を吊るす風習があった。多良間村のスマフシャラの儀式は有名である。
そして弱った肉体に神聖なるブタの臓器を移植する儀式もあった。「あぐー」と呼ばれる種がその代表格となる。ハンセン病でもげた鼻や耳の代わりに、神聖なるブタの鼻を。脳に損傷を負ったブリーチャー症候群(CTE)のヒトには、ブタの汚れない脳を。角膜を損傷したヒトにはブタの眼球を、といった具合である。
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