「脳ヒト化」されたマウスは迷路テストの成績が、通常のマウスに比べて格段に速く、正確となっていた。マウスにはない高い学習能力を有していたのだ。そして、いよいよ念願のブタ人間が実現される。それは、2017年アメリカ・カリフォルニア州ラホヤのソーク生物学研究所で行われた。
Juan Carlos Izpisua Belmonte博士(現在Altos Labsに所属)らのチームが、ヒトのIPS細胞をブタの胚に注入し、ブタの妊娠期間中に胚を発育させる実験を行ったのだ。この過程で、ヒトの細胞がブタの胚内で成長し、特定の組織を形成する様子が観察された。ヒトブタ・キメラ胚の誕生である。
2021年中国において「猿の惑星」を実現すべく、研究が行われた。なんと中国科学院と精華大学の共同チームが、ヒト神経前駆細胞を胎児のカニクイザルの胚に移植したのだ。この研究には、先ほどのソーク生物学研究所も関与している。もちろんカニクイザルの胚は、あらかじめ遺伝子操作しておいた。
研究チームは、受精から6日目のカニクイザルの胚細胞132個に、ヒトのIPS細胞を各25個注入した。その後、ヒトサル・キメラ胚を培養し、成長の過程を観察した。その結果、10日目には92.8%の胚にヒトの細胞が定着し、胚盤が形成された。なんとヒトサル・キメラ胚の中で、ヒト細胞が脳の皮質組織に分化していたのだ。(米科学誌 Cell 2021/04/15参照)
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