年金生活者とジェットルート

今日は9:15が干潮だったから、明日は10時くらいか。正確な時間を調べて来なかったことに後悔した。その時しか、もうチャンスはないと思った。どんなに波が高くても、干潮ならば少しは望みはある。また遊漁船が来るかもしれない。その時に救助を求めることが出来るかもしれない。それよりも明朝は、波が穏やかになっているかもしれない。そう望みを持ち、前向きに考えるようにした。

上空でジェット音がする。ここは航空機のジェットルートとなっており、ここから15分後に基幹空港に着陸する機だ。そして毎日22:00～23:30が各地からの最終便のラッシュとなる。以前にプライベートビーチを分析した際、フライトレーダー24で確認している。「まだ24時前なのか」時間がたつのが遅い。

それにしても波の音が大きい。次第に大きくなって来ているような気がする。「ゴワー」という地響きのような低い音が最初にする。沖のサンゴ礁に大波があたる音だ。そして「ザワー」という白波の立つ連続音。そして1～2秒後には「ザブーン」という、岸まで到達して岩に砕け散る音。最後は「シャー」という砂浜を駆け上がる波音で終わる。眼をつぶっていても、波の動きが手に取るようにわかる。

「波の音がこんなに大きくなって来ているのは、今が満潮だからだろう」と自分に言い聞かせた。でも今日の満潮が15:30だから、次の満潮は明日の4:00くらいなはずだ。今よりもっと大きくなるのか。段々と波の炸裂音が大きくなり、波もすぐそこまで上がって来ているようだ。私は恐怖を感じていた。