ロッキー山脈から吹き抜ける風が涼しい。いや寒いくらいだ。空気の澄んだ清潔感漂う街、バンフ。道路にはチリひとつ落ちていない。ロッキーの山肌がすぐそこまで迫る。音もしない。ただ透明な空気が漂う。そうだ。クスリ漬け年金生活者が心を惹かれたのは、ここが故郷の街に似ていたからだ。そう。長野県松本市。
カナディアンロッキーの湖の色は独特だ。鮮やかなエメラルドグリーン。かと思いきや素晴らしいターコイズブルーの湖も。氷河が溶けたばっかりの水だから、冷たすぎて手も入れられない。だから魚も見えないのか。静まり返った世界だけが広がっている。野生のシカが多く生息し、時々、車の行く手を阻む。それだけ自然が豊かなのだ。
コロンビア大氷原のアサバスカ氷河も圧巻だ。大型の雪上車に乗り込み氷河のど真ん中まで下る。到着するとみな氷河の上にあおむけに寝ころぶ。そうして大地の鼓動を聞くのだ。ところどころクレパスが口を開けている。チェーンで囲まれているが、滑り落ちたら別の世界が待っている。
カナディアンロッキーの宝石、エメラルド色に輝くルイーズ湖畔に、今日泊まるホテルが見えて来たぞ。かの有名なフェアモント・シャトー・レイクルイーズだ。中世の古城のようなホテル。目の前が湖。まるで庭にルイーズ湖がある感じ。レンガ造りのホテルはこの景観にもよくマッチしている。違う時代に来た感覚だった。
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