シバオ君は毎年検診を受けて、8種混合ワクチンを接種していた。もちろん狂犬病の予防注射もだ。そして毎月フィラリア予防の内服薬を飲んでいた。ほぼ毎日、主人との散歩も楽しんだ。だから病気にもならず元気に一生を過ごした。家族の誕生日を一緒に祝い、一緒に誕生ケーキも食べてしもうた。悔いはないだろう。
そして家族の成長を見守り、入学、卒業、就職、精神病院入院とみんなを応援してくれた。自分のわがままは、ほとんど言わずいいやつだった。ただ家族だけでキャンプや旅行に出かけると、スネてしまい、帰ってきて呼んでもしばらくは犬小屋から出て来なかった。可愛いヤツである。「自分も連れて行ってヨ」との言葉なき主張である。
仲間を作ってあげようと、カルガモ3匹も庭で飼ったことがある。でもうまく行かなかった。シバオ君が面白がってカルガモを追い掛け回すのである。カルガモの羽にからしを塗ったが、効果はなかった。ある時一匹のカルガモが重症を負った。首に嚙みつかれ食道に穴が開き、あげたえさがすべて穴からこぼれ落ちた。
これでは水も飲めない。それで穴を糸で縫い合わせガーゼを巻き、毎日イソジンで消毒した。そのかいあってか、しばらくしてカルガモはエサを食べられるようになりいっきに回復した。今は公園の池でほかのカルガモたちと楽しく暮らしている。一度様子を見に池に行ったが、何と覚えていたらしく向こうからこちらに走り寄って来た。カルガモなりに感謝していたのだ。それからは行っていない。
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