Human Monkey Hybrids

カガク

ヒト・サルハイブリッドの実現である。研究チームは、さらにこのキメラ胚ゲノム解析を行い、ヒト胚やサル胚と比較した。すると、キメラ胚の細胞には特有の遺伝子発現プロファイルがあり、特異的に強化された細胞シグナル伝達経路や、新しい細胞シグナル伝達経路の存在が明らかになった。

このことは、ヒトサル・キメラ胚の内部で、ヒトとサルの細胞間コミュニケーションが起こっていることを示唆した。まさに、ヒト・サルハイブリッド出現の瞬間である。それまでのマウスやブタと違い、ヒトに近縁な非ヒト霊長類カニクイザルとのハイブリッド誕生は、全世界に衝撃倫理的危惧を与えた。

人類はついに、開けてはいけない「パンドラの箱」を開けてしまったのだ。全世界からバッシングが相次いだ。人間の心と知能を持ったサルが誕生してしまう。そして妊娠・出産を繰り返し子孫を増やしてしまう。人類はサル人間にどう対応するのか。サル人間とヒト社会が共存出来るのか。

そもそも、人類が遺伝子操作サル人間を作り出すことが許されるのか。全世界で議論が伯仲した。その結果キメラ胚の研究は、ハイブリッド誕生後14日以内の発生段階で研究を止めることが義務化された。「成体までの成長は禁止する」という国際的な取り決めが行われた。各種財団もキメラ胚の研究には、資金提供を取りやめるに至った。

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