プライベートビーチ

年金生活者 再上陸

まだ油断は出来ない。ビーチまで岩場が続くからだ。岩の直下では大波が轟音とともの砕け散っている。水しぶきが全身にかかる。時間の経過とともに、確実に潮が満ちて来ているのがわかった。ここまで来て、滑って海中に落ちたら命の保証はない。ゆっくりゆっく...
プライベートビーチ

年金生活者とエントリーのビーチ

慎重に少しずつ前進する。突然岩穴から何十匹ものカニが走り出て来る。まちがって踏みでもしたら、足が滑って海中に転落する。やっと止まっていた手の傷からまた出血し出した。必死で岩を握っているからだ。しばらく行くと、案の定、岩が途切れている。次の岩...
プライベートビーチ

年金生活者魔海からの脱出

9:30なんと、はるか沖の彼方に米粒くらいの定期船が見えた。遠くで点のようにしか見えないが、北へと進んで行く。私は浜に出て大きく手を振り続けた。双眼鏡でこちらを見てくれたら発見される。そんな距離だった。約10分間だっただろうか。船は針路を変...
プライベートビーチ

年金生活者の決断

8:00船は見えない。この波高では遊漁船も出港しないかもしれない。決断すべき干潮時刻の10:00まであと2時間を切った。でもこの波では無理だ。勝ち目は全然ない。この時点では、まず海には入れないと思えた。私は砂浜にすわり、落ちていたプラスチッ...
プライベートビーチ

年金生活者と明けた魔のビーチ

でも真水だ。海水ではない。やはり神からのプレゼントか。とっさにそう思った。しかし、今後のことを考えると2口から3口しか飲む気にならなかった。もったいないからだ。魔のプライベートビーチは明けた。そして、その全貌を見せた。何ということか。昨日の...
プライベートビーチ

年金生活者と低体温症

ブーツの中は一晩中海水が入ったままだ。チャポチャポ音がする。足先が冷たい。幸い、夜間大雨になることはなかった。いや実際は降っていたのかもしれないが、密林の中なので、しのげたのかもしれない。でも時々、ビタビタビタっと、大きな水の塊が落ちて来て...
プライベートビーチ

クスリ漬け年金生活者の祈り

私はもう、「もし生きて帰れたら何をしようか、拾った命を何に使おうか」と、いい意味で前向きな考えにもっていくようにした。91歳の母親よりも早く死ぬなど、これほど親不孝はない。母親はクリスチャンであり、私が隔週で教会へ付き添っている。「神様どう...
プライベートビーチ

クスリ漬け年金生活者と灯台

もしかして、満潮が近づいているからなのではなくて、波高がより高くなって来てしまっているのではないか。イヤな考えが支配した。明朝起きて、波高が今日よりもっと大きくなっていたらどうしよう。完全にOUTだ。戻れない。人生終わりだ。抜き差しならない...
プライベートビーチ

年金生活者とジェットルート

今日は9:15が干潮だったから、明日は10時くらいか。正確な時間を調べて来なかったことに後悔した。その時しか、もうチャンスはないと思った。どんなに波が高くても、干潮ならば少しは望みはある。また遊漁船が来るかもしれない。その時に救助を求めるこ...
プライベートビーチ

年金生活者と2023年06月13日

2023年6月13日(火曜日)も残すところあと数時間。クスリ漬け年金生活者の命もあと数時間。こんなことにはならないでほしい。祈るのみである。ところで視点を変えて、この日がどんな日と占いでは言っているのか、後になって調べてみたので、参考までに...