これから憧れのコルコバードの丘を目指す。テレビや映画で観るブラジルの象徴だ。そこに行けるんだ!まずは登山電車だ。スイス製アプト式。急な斜面を登りきる。窓の両側はうっそうとした密林だ。標高が上るにつれ、あたり一面、霧に覆われて来た。これでは景色も何も見えない。雲の上にいるようだ。
着いたぞ。見上げる巨大なキリスト像。しかし上半身は霧の中。顔が拝めない。「わざわざ地球の裏側まで来て顔が拝めなければ申し訳ない」ガイドの判断で、予定を延長して30分待った。すると突然風がふき、しばらくの間霧が晴れた。そして微笑んでいるキリスト像の顔が現れた。
これがコルコバードのキリスト像か。なぜか感動した。サプライズか。ちょうど、欧米人のカップルがこの時とばかりに婚約指輪を渡していた。プロポーズだ。受け取った。辺りの皆が拍手を送った。コルコバードのキリスト像の前で指輪を渡すとはしゃれている。
バニラ爺はやはり終始、地べたに座り込んでいた。霧が水滴になり寒いのだ。それなりの標高もある。ならば暖かい地へと降りるか。一行はコパカバーナへと向かった。下界では日光がサンサンと輝いていた。ここが有名なコパカバーナビーチか。にぎやかである。ガイドが止めるのも聞かず、誰かが服を脱いで泳ぎ出した。
コメント