年金生活者ジャングルで遭難

プライベートビーチ

どれくらい時間が経ったろうか。気がつくとあたりはもう真っ暗だった。「このまま密林から出られず、力尽きて野垂れ死にするのか」イヤな考えが頭をよぎった。陸路で密林を強引に横切り、畑まで出られたらと思ってみたが、この状況では明らかに無理だ。このまま道を求めてジャングルに迷い込み、出られなくなるのは危険と判断した。

いくら陸続きとはいえ、方向感覚が分からなければ、人は右回りに同じところを何度も何度も回って、やがて力尽きて野垂れ死ぬ。リングワンダリングである。このことは、知識と経験から知っていた。2年前にも道を探そうと、この近くの密林に入り込んで、出られなくなってしまったのだ。しかも2時間も。そして同じところをグルグル回っていたことに気づいたのだ。

今回迷い込んだ密林は地図上でも、その時の約4倍の面積がある。しかも高低差もかなりある。東に数キロ直進すれば、畑に出られるかもしれないが、どんな障害物があるかわからない。そもそも「東」という確実な方向がわからない。時計のコンパスも「SSE」とか「SE」とか、頻繁に表示が変わりあてにならない。

ここで陸路はあきらめた。この決断は今回の遭難で、最初に下した正しい決断だったと思う。陸路をこのまま強行していたら、おそらくジャングル奥深く迷いこんで、決して今ここにはいなかったと思う。そこで浜辺(ビーチ)まで戻る決断をした

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