一帯一路は中華思想の源USJを彼方にめざす。中華型気圧配置による強風の中、独立を貫く反体制国の梅の花中華航空機は定刻に着陸した。温度差20℃。地球中国化とは言っても師走の浪花はさすがに寒い。ここからはUSJ直行中華バスに替わる。運転手が出て来た。Ⅿのマークのついた大きな赤い帽子をかぶっている。運転手はマリオの着ぐるみを着ている。なんという気の利いたサービスだろうか。
さすがの中華バス。と思いきや、近くで見ると、着ぐるみなど着ていなかった。着の身着のままで、体形がマリオなのだ。五頭身くらいで頭が大きい。それにもの凄く着ぶくれしてしまっている。寒いから厚着なのか。バスの出入り口に頭がはさまって苦労している。いくら停車中とはいえ、そもそも運転手がハンドルを握らず、車外に出るのはおかしい。疑問が沸いた。
すると、なんと運転手のマリオが乗客を案内し、料金を受け取り切符を渡している。さらに荷物の引換券まで渡し、バス側面の扉を開けて中にキャリーケースを詰め込み始めた。誰もサポートするべき係員がいない。すべて劇団一人だ。マリオの頭がトランクの扉に挟まるので、奥まで荷物が積み込めない。重労働極まりない。見かねた乗客が、キャリーケースを近くまで運んで手伝い始めた。
列を誘導する乗客まで現れた。さすがにバスを運転する乗客は現れなかったので、私が進んで立候補しようと思い運転席に座ってみたが、道がわからないので躊躇した。これがUSJが誇る観客一帯参加型アトラクションなのか。もう始まっている。ただ受け身なのではなく、観客みんなが、マリオと一緒に参加して楽しむ。頭が、はさまるしぐさも演技だったのか。このポリシーに納得して感心した。
コメント