日航国際線客室乗務員

シゴト

歩合制だから果たして私にはいくら入るのか。社の規定により報酬は販売商品の1割となっている。50万円の商品だったから、1割の5万円が私の報酬だ日給5万円。まあ悪くはない。仮に1日2本売れれば、日給10万円となる。月収300万円だ。先輩は週に2~3本売っていたから、月収60万近く稼いでいた。うらやましい限りである。もちろん本人も英語は堪能である。

しかし上には上がいた。社のトップセールスは、もと日航国際線客室乗務員だった。先輩はなんと一日にコンスタントに2~3本売っていた多い時には一日5本も売るという。月収いくらになるか。そりゃ昨日まで国際線で世界を飛び回っていた美人スチュワーデス(当時の名称)が、喫茶店でわざわざ会ってくれて、商品を勧められたら、まず簡単には断らないでしょう。

なにせ説得力抜群なんだから。彼女は2か国語ペラペラで、日航で国際線客室乗務員としての国際的な接客マナーや、客層への繊細な心くばりを学んでいるから、先輩でも足もとにも及ばないという。そのせいか新人全員のフルネームを当日で覚えてくれた眼差しも優しくいつも微笑んでいて、言葉使いも丁寧で親切にいろいろと親身になって教えてくれた。これでは、売れないわけがない。

彼女の話によると、国際線は10時間を超える勤務もざらで立ちっぱなしのこともあるという。さらに毎日、時差に苦しめられて睡眠も不規則になり体力的にもかなりきつい仕事だという。乗客は国籍により文化や風習がちがい、ハラルフードやアルコールなど機内食にも気を使う異なった宗教の乗客がとなり合わせになっただけで座席変更を訴えることもあり、満席の場合はたいへんだとのこと。ここは好きな時にだけ働けて、しかも月収も格段にアップしたとの話だった。

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