水中都市

プール

プール漬け年金生活者は進化を遂げて、やがて水中人間となっていく。その朝は遅い。一番ゼミが鳴きやむ頃に起き出す。水中ウオーキングに人生のすべての活路を見い出しているので、地上での早朝ウオーキングなど、見向きもしない。というよりも彼らは、もう進化を遂げていて、地球の重力をまともに受けてのウオーキングには適応していないのだ。

そして強力な紫外線、太陽光、地表の暑さなどにも適応していない。彼らはアルキメデスの原理を応用し、重力が地表の3分の1となる水中へと、活動の場を進化させたのだ。体重100キロの人でも水中では33キロと軽くなり、颯爽とウオーキングが出来るのだ。万一転倒しても水中では転ばない。体は浮かぶ。だから骨折の心配もない。

屋内プールであれば、紫外線、太陽光も回避出来る。重力が3分の1となり足腰への負担が軽減される。しかし陸上とちがい、水の抵抗があるから筋力はさらに鍛えられる。一石二鳥である。こうしてキカイ漬け年金生活者はプール漬けとなり、やがて生活の場を水中へと変えて行くようになる。もちろん、CPAP装置は水中人間の必需品となる。

日本では清水建設水中都市を2030年までに実現させる計画だが、米国の民間企業も水中都市の構想を発表した。地球温暖化による毎年の熱波襲来や巨大ハリケーンも、この計画に拍車をかけている。キカイ漬け年金生活者が、やがて水中で暮らす日も、そう遠くないであろう。

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