年金生活者の終わらない夏 2023

ブレイク

クスリ漬け年金生活者の夏は終わらない。連日の台風一過34℃あった外気温が久しぶりに30℃まで下がった。この夏、今しかブタの長(おさ)には会えるチャンスはない。意を決して午前のプールへと足を運ぶ。直射日光がきつい。「メガネ一番」で、一番濃い色度付きサングラスを作ったのだが、店員さんによると「この濃さでは太陽しか見えませんよ」とのこと。太陽が見えないサングラスこそ欲しかったのだが、作れないというのでこれで我慢した。

ただこれだけサングラスが濃いと信号機が何色なのか毎回苦労する。昨日信号機が何色なのか全くわからなくなってしもうた。「これは網膜剥離か?」と絶句して、サングラスをはずして見ると、それでもわからない。顔面蒼白となりすぐに眼科へ向かおうと左折する。あれ?次の信号機は赤だ。ちゃんと見える。なーんだ、台風でまだ信号機が停電していたのか?人騒がせにもホドがある。

いた。プールのアルミのはしごに背を向けて、パイプを両手でつかみ頭をはしごにひっかけて浮いているのは、まさにもと県警本部長のブタの先輩ではないか。ちょっと見ない間にお腹だけが立派に成長されて、水面から小山のようにお腹だけが浮いている。顔は小山に隠れてしまって確認出来ない。しかしあのラッシュガード姿には見覚えがある。すぐに飛んで行って礼を尽くした優しい微笑みが待っていた。

「毎日が命の危険な暑さですので夜の部で泳いでおります。ここのところ食べる物がなくて困っております。どこのスーパーに行っても肉ばかりで野菜が全くありません。先輩はこの暑さでも昼間に来ているんですか?」 すると先輩は笑いながら、「わしゃ40℃までは平気じゃよ。この歳にもなると暑さはもうなんとも感じなくなるよ。ハハハ草草草」と豪快に答えてくれた。さすが元県警本部長、体の鍛え方が違うと実感した。同席した直属の部下も皆元気そうだった。    

注)写真は本人ではありません

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